恋愛なんて馬鹿げている

好きになった人としか結婚しないと言って、未だに独身の30代半ばの知人がいます。でも子供は欲しいそうです。

2つの希望を叶えるには年齢的な限界に差し掛かっているのではと思いつつ、聞き流しています。

私は恋愛は結婚の手段だとしか思っていないので、こういったロマンチックな人の思考をうまく理解できません。恋に落ちる確率、そして恋に落ちた相手から結婚しても良いと思われる確率を掛け合わせると、なかなか絶望的な結果になると思うのです。

恋愛を恋愛として楽しむのはいいのですが、それと家庭を作るという作業とをからめてしまうのは非効率です。偶然のチャンスを前提とした人生設計というのは私の価値観に馴染みません。

私にとって結婚は生活を安定させる手段です。結婚相手の年収、財産、親戚関係、諸々の価値観、そういったステータスは変えづらい一方で、愛情は極めて主観的なものです。愛すると決めてしまうだけでいいのですから。

私は惚れっぽいのかこだわりがないのか、結婚相手に適すると判断した男性をすぐに愛すことができました。愛するというより、相手を幸せにする義務を負ったと感じた、と表現したほうが近いでしょうか。結婚当時は仕事を辞めていたので、例え妻といえど、赤の他人を養わせる以上は見合う程度の働きはしなければならないと思ったのです(恋愛結婚と同じくらい、専業主婦を養う人の気持ちも理解できません)。

結婚して10年余り経ちましたが、他人と生活していくだけでも様々な発見があるものです。愛する人と結婚するのはとてもいいことですが、次善の策として結婚してから愛を育むのも悪くはないと感じています。

呑気にこんなことが言えるのも、たまたま私の夫がとても良い人だったという幸運に依るものだとは思うのですが。