仕事より勉強のほうが楽な理由

学生の頃は、勉強が嫌いでした。テストが終われば二度と使わない知識を覚えるのに時間を費やすのが無駄なように感じられたからです。難しくて分からない点もとても嫌でした。

勉強が好きになったのは、仕事を始めてからです。最初は逃避でした。定時に会社へ行き、雑用をして、定時に帰る。数年もすれば飽きが来ましたし、つまらない仕事をしている私までつまらなくなったような気がして憂鬱でした。語学や経理でも出来ればカッコいいかな、と思いついて、帰宅後の暇な時間に勉強しました。社会人で勉強している人は多くはないので、それだけでちょっぴり誇らしい気分になれました。学歴コンプレックスも少し癒えました。

そのうち仕事もそこそこ軌道に乗るようになりましたが、ますます勉強が好きになりました。業務について少し勉強していくと、一目置かれたからです。勉強といっても本を読むくらいのことでしたし、元々読書が好きだったので全く苦にはなりませんでした。

仕事とは全く関係ない勉強もするようになりました。勉強は素敵です。仕事と同じくらい達成感はあるのに、失敗しても誰にも迷惑は掛かりません。判断ミスも怠惰も全て私にしか影響しない点が気に入りました。仕事だと失敗を恐れて思うようには出来なくても、勉強では思い切り無茶をやれます。好きなだけ失敗できるって素敵だな、と思います。

私が勉強をするのは決まって人生がうまくいっていない時です。少しでも自分自身に期待したくて、祈るような気持ちで机に向かうことを何度も繰り返しています。周りからは勉強になんてかまけてないで働けば?と言われることもありますが、勉強の息抜きに仕事、仕事の息抜きに勉強、と交互に逃げることは私にとって快適なので、しばらくは止めるつもりはありません。