劣っている=貧乏になる、わけでもない

何度も書いている通り、私は頭が良くありません。

あんまりにも周りと比べて出来ないので、「このままでは自立すら危うい。でも両親に世話になるのも嫌だ」という切羽詰まった思いが幼い頃からずっとありました。

出来ることが限られているので、乏しいリソースをなるべく自立に有利なものに振り分けました。ゲームのキャラクターを育成する要領です。

良い企業に勤めることが人生の良し悪し(あくまで経済的な面です)を決めるらしいとはうっすら理解していました。なので就活に全力をかけないと私の場合ダメだろうな、ということは中学生の頃から分かっていて、着々と就職準備を進めていきました。低学歴でも受け入れてくれる職場であるとか、人事にとって好ましい若者像、とかそういう調べ物が大半でしたが。いくら私が馬鹿でも、何年も準備した後では他の志望者と引けを取りませんでした。その代わり、美容やファッションには縁のないモテなくてダサい学生でした。

就職活動が済んだら、次は婚活です。まだ婚活という言葉もない、けれど玉の輿という言葉はギリギリ死語ではない、そんな時期でした。自身がダサくて可愛くないことは分かっていましたし、そういう人が恋愛の相手として求められないのは自明でした。ただ、若いというだけで付き合ったり結婚したがったりする人がいることは理解していました。学校では見向きもされなかったのが、職場ではそれなりにチヤホヤしてもらえたからです。そういう人をターゲットにすれば結婚できないこともないだろう、と考えていました。

どうせ結婚しなければならないなら金持ちがいい、と考えた私は片っ端から紹介を頼みました。子どもを望まないという決定的な不備があったので、これ以上の高望みは出来まいと、年齢学歴婚歴問わず色々な人と会い、今の夫と結婚しました。

おかげで不自由なく生活できています。お金100、その他0という偏ったステ振りですが、満足です。もし人並みに生まれついていたら、無節操に能力を浪費して不満の残る人生を送っていたかもしれません。能力に恵まれないからこそ可能なこともあると今は思っています。