友情乞食

友人が非常に少ないです。両手で数えられるほどしかいません。

若い頃は、友達が少ないこと=ダサいと思い込んでいたので気に病んでいました。そのうち悩みも消えて行きました。友情乞食がいることに気づいたからです。

私は頻繁に引っ越すので、引越し先や配属先でその度毎に一から新しい人間関係を作る必要があるのですが、どこに行っても知り合いを作るのは簡単です。つるむ人間を必要としている寂しい人がたくさんいるからです。

私はいつからか彼らを友情乞食と呼ぶようになりました。適当に満遍なく声をかけていくと、そういう人たちはすぐに寄ってきます。私よりその土地に長くいてそれでもつるむ人間に困っているくらいですから、あまり魅力的な人ではありませんが、当座をしのぐのに問題はありません。友達を作るには何らかの魅力を備えている必要があると思うのですが、友情乞食は人間であれば誰でもいいというレベルで切羽詰まっているので、私の性格が多少悪かろうが問題なくやっていけます。

時々、世の中って寂しい人ばっかりなんだなぁと嘆息してしまいます。それなりに皆苦労して一生懸命やっているのに、しかるべき尊敬や承認が得られていない人がこんなにもいる…そう考えるとやるせなくなります。まぁ、そういう人がいっぱいいるおかげで私は我を曲げなくても知り合いが作れるのですけど。