【映画感想】活きる

20年も前の中国映画です。時代背景はさらに下って70年以上前から始まります。

お金持ちから貧乏になって、両親は亡くなり、戦争に巻き込まれ、子どもが障碍者になり、死んで、友達とも仲違いしてと、ある一家が散々な目にばかり遭う話なのですが、なぜだか「彼らは幸せなんだなぁ」と感じられて涙が止まりませんでした。どんなに辛い目にあっても、彼らの生活の中に笑顔があるんですよね。不幸だ不幸だといじけるシーンもありません。

昔の映画を見ていると、昔の人って今ほど内面が発達していないというか、自意識が薄い感じがします。起きてしまったことを受け止めて粛々と毎日を送っているように見えるのです。それが清々しく感じられます。

悲しいことがあったから泣く、次の日嬉しいことがあったから笑う、笑う時にいちいち昨日のことを思い出して悲しみに沈んだりはしない…。あるがままの有り様に心を打たれました。彼らの心持ちに至れたら、と過去や自分自身に目を曇らされてばかりの私は思います。