ヤマシギのロースト

ヤマシギをご存知でしょうか。

シロサギみたいな長い嘴を持った鳩くらいの大きさで、川辺で虫を食べて生活している鳥です。狩猟肉の王様と言われており、ほぼイギリスでしか獲れない貴重なお肉です。味わいは草を主食とする他の狩猟肉と比べアンチョビのような独特の風味があるとされています。

せっかくイギリスにいるのだから一度くらいは食べてみたい、そう思って狩猟シーズンに入ってから市場に行きましたが、ヤマシギの狩猟期は1月とのこと。1月に再度出直し手に入れました。正味300gほどで1,500円。レストランで食べれば単品で1万を下ることはないのでとても安く感じました。ヤマシギの真骨頂は内臓。以前に雉を買った時には内臓が抜かれていたのでドキドキしながら持って帰ってきたのですが、ヤマシギにはきちんと内臓が全部付いていました。

脂肪分が少ない鳥なのでバターで焼き色と脂肪分を加え、アルミフォイルで包んでオーブンで20分焼きました。内臓はみじん切りにしてから煮詰めたチキンブイヨンと赤ワインと合わせ裏ごしし、なんちゃってソースサルミ。本当はブイヨンではなく、野鳥のガラを煮出した方が良いようです。

ソースは確かにアンチョビ風味。香りがとても良くていかにもフランス料理らしい味がします。肉は淡白でしたが、とにかく香りが素晴らしくて幸せになりました。今度はレストランで食べてみたいです。