美食をきちんと味わうことは難しい

年末の旅行に向け計画を練っています。

旅先でのレストランを選ぶ際に毎回悩むのが、当地最先端の料理を味わうのか、分かりやすい料理にするのか。化学調味料に慣れた私の舌には間違いなく後者を美味しく感じるのです。でも二度と行かないことを考えると冒険もしてみたい。悩みます。

私が特に苦手としているのが、『分子ガストロノミー』と『失われたレシピの再現』です。どちらも日常の料理とは全く違った文脈を持っていて、味わいを正しく評価するには経験が必要です。何度かその手のレストランに足を運びましたが、美味しいけど、ものすごく美味しいとは思えなかった苦い経験があります。私よりよほど鋭敏な舌を持つ夫がうめぇうめぇ連発しながら食べているのをうらめしく眺めながら食べました。夫が太鼓判を押した料理を食べてみても、すごく美味しいとは感じられないです。クラシックで重厚なフレンチだとか、そういった流行遅れの料理が一番しっくりきます。

味覚のお粗末さに時々嫌気がさして、化学調味料を一切使わず調理してみたり、塩分濃度や温度を少しずつ変えた料理を作って味を比べてみたりして舌を鍛えることもあります。色々工夫してみた結果、味の評価はそこそこ出来るようになりましたが、直感的に美味しいと感じるまでには至ってません。

やっぱり高級な料理は私には似合わないんじゃないかと思いつつ、こういうのは場数を踏むことが大事なのだと思い定めて、結局いくつかの店に予約を入れました。町の食堂(結局これが毎回記憶に残るのですが)の食べ歩きも楽しみです。