乗馬のはなし

目の前が開けたような経験をしたので備忘がてら書き留めておきます。

中高と乗馬を習っていたので、大学院入学後すぐに馬術部に入部しました。さすがイギリス、馬術部が当たり前のようにあって感激しました。

社会人になってからは、続けたいとは思いつつも乗馬クラブに通うお金も時間もなく、時々単発でウェスタンスタイル、モンゴル騎馬と馬術も違えば調教具合もまちまちな馬に乗ってました。アメリカの国立公園で絶景を眺めながら散歩するのも、モンゴルの花畑を蹴散らしながら草いきれの中をひたすら駆けるのも、それはそれで素晴らしい思い出にはなったのですが、変な癖がついてしまったようです。いざ本場のブリティッシュ乗馬を習わん、と乗ってみると全くうまくいきませんでした。全くうまくいかないと言っても、既に何年間も習っているので傍目からは乗れているように見えます。なので指摘も受けられず…としばらく釈然としないまま練習を続けていました。

ある日、ベテランのインストラクターさんがついたときに思い切って、「全然乗れないんですけど」と話してみました。インストラクターさんは、しばらくじっと私の騎乗を見て、それからいくつか指示を出しました。足の位置であるとか、手綱の長さとかをです。そうすると、悩んでいたのが嘘のように馬がキビキビと動き出し、姿勢が安定しました。私が子どもの頃に通っていた乗馬クラブは指導が悪かったわけではないのですが、いかんせん人数が多かったため、手取り足取り指導を受けることは出来ませんでした。指導を受けて上達したという実感がなかったのと、とりあえず楽しく乗れればと思っていたのもあってこれまでろくにレッスンを取っていませんでしたが、例えお遊びでも習うことは大切ですね。自信を持って正しく乗れることがこんなに楽しいとは思いませんでした。

乗馬部ではほぼマンツーマンでレッスンが受けられ教え方も理論的なので、レッスンを受けるためだけに大学院に残りたいくらいです。もうこんな素晴らしい指導を受けることが出来ないのかと思うと残念ですね。日本にも、通いやすいところに良い先生がいるといいのですが。