モノより思い出

日産セレナの昔のキャッチコピーです。覚えている方もいらっしゃるでしょうか。

CMを見たとき、「思い出なんかよりモノが欲しい!」と反発を覚えた記憶があります。ちょうど働き始めたくらいの時分。やっと自由になるお金が手に入ったところだったので、お金を遣えるのが嬉しくてたまらず毎日買い物をしていました。若かったので欲しいものもたくさんありましたしね。

「モノより思い出」だよなぁと思い始めたのは、海外に引っ越すときのことです。家具や家電を置いていかなければならず、貸し倉庫を借りるか捨てるか決める必要がありました。両親が赴任した際は貸し倉庫を借りたのですが、帰国時には殆どの家電はダメになっており布団等はカビて使い物にならず捨てたことを思い出し、独身時代の持ち物は一部の服や化粧品を除き全て捨てることにしました。不思議と未練はありませんでした。ただお金は勿体無かったです。

それ以来、「買っても捨てるんだしなぁ」「メンテナンスの手間がかかるんだよなぁ」という思いが先に立つようになったこともあり、物を買うことが少なくなりました。代わりに旅行や食事にお金をかけるようになりました。何かプレゼントをするのもされるのも億劫になり、お菓子の詰め合わせや肉ばかり贈っています。モノは場所をとるけど、思い出は場所をとらないと好ましく思うようになったのです。価値観って変わるものですね。