ひとりで宿坊に泊まったら、結構良かった

もう10年以上も前の話ですが、京都に行った際に宿坊に泊まりました。宿坊というのは、お寺にある宿泊施設のことです。

確かゴールデンウイーク中でホテルが軒並み高かったのですが、宿坊はピーク料金を設けていないためか安かったのです。その代わり、一人客は相部屋になると言われました。女性客のみ、朝食付きで4,500円、勤行は任意という点に惹かれ、鹿王院という嵐山にある宿坊に決めました。

観光を楽しんだ後、鹿王院へ向かいました。京福電鉄の二両しかないおもちゃのような列車、鄙びた町の雰囲気。何だかにこにこしてしまう可愛らしい町並みの中に、鹿王院はあります。青葉を割るように真っ直ぐ伸びた素晴らしい参道を抜けると、小さなお寺が現れました。お寺の中を案内していただいた後、中庭に面した古い和室に案内されました。その日は3名と相部屋になるとのことでした。

お風呂を済ませると同室の人が戻ってきており、ぽつぽつとその日観光した場所等の話をしました。修学旅行の夜のようで楽しかったです。日中は一人で観光し、夜戻ってきてお喋りするというのは、構われたくないけど人恋しい気持ちもある私にはしっくりきました。

朝食は質素だけれど美味しいものでした。ひろうす(がんもどき)は地元の豆腐屋(森嘉)のものでしたし、京都らしい献立で、きちんと手がかけられています。風情のある建物に安く泊まれて程々に交流も楽しめる、一人旅向きの良い宿でした。また泊まりたいなぁと思っています。