なんてことない日常の写真

ふと思い立って、掃除後、寮の部屋の写真を撮りました。これまで10回以上転居を繰り返しているのに住んでいた部屋の写真があまり残っていないのを最近後悔するようになってきたからです。

昔撮った写真を見返している時、一番胸を衝かれたのが結婚後初めて住んだアパートの写真でした。中古家具の譲渡会のために撮った、家具の背景に自宅が写っているだけの無味乾燥な写真ですが、そこで過ごした日々の思い出が蘇ってくるのですね。テーブルで毎日ゴハンを一緒に食べたこと、卒論を仕上げた時のこと、毎朝のコーヒーとパンケーキの味、煮詰まった時にアパートをぐるぐる歩き回ったこと、新婚当時の毎日浮き足立った記憶の数々…鮮やかに当時のことを思い出しました。

旅先の写真はたくさん残っていて、それはそれで楽しい思い出なのですが、一番楽しかった思い出はやっぱり家で過ごしていた時のものです。日常って大切だ、と当たり前のことを思いました。だから次に引っ越すときには、普段から部屋の写真も撮っておこう、と決めました。

なるべく普段通りの、少し散らかった部屋をたくさん撮りました。大学のキャンパスやよく行っていたお店の写真も撮っておこうと思います。住んでいたところを見に来る機会なんてもうないでしょうから。