学術系クラウドファンディング

クラウドファンディング、流行ってますね。寄付するとお礼が貰えたりして、なかなか楽しい仕組みです。寄付金控除の対象でないものが多いので、今のところ私は利用する予定はありませんが(寄付は節税に役立つもののみというのが私のポリシーです)。でも5年後くらいには控除の認定が大分緩和されて、クラウドファンディングも税控除の対象になるんじゃないかなー、なんて期待してはいます。

特に意義深いと思ったのが、academistというクラウドファンディングサイトです。研究事業に対する寄付を募っています。

academist(アカデミスト)

寄付金に応じて貰えるお礼が変わるのですが、私が面白いと思ったのが、解説ツアーや発掘同行ツアーの特典です。これを旅行が好きな人と引き合わせたらもっと寄付金が増えるんじゃないかと思ったのです。

日本人は旅好きですし、なかでも旅慣れた人は普通の観光に飽きていたりします。研究者から解説を受けながら興味ある分野に関する知識を深める旅、なんていうのが日程に組み込まれていたとしたら楽しそうです。

旅行会社に行ったらそういった寄付金メニューがあって、面白そうな研究に寄付をしてツアーを組んでもらう。出発前には研究者が選んだ入門書や解説書が届いて、それを読みながら旅へのイメージを膨らませ、現地で解説を聞きながら発掘作業の真似事をしたり遺跡を回ったりする…。

研究者の側も、より訴求力のある題材を選んだり、あるいは自身の研究テーマを分かりやすく面白く伝えることでより多額の寄付金を獲得できるようになります。それに、現在は大学等の研究機関に所属していなければ研究することは難しい状況にありますが、クラウドファンディングは在野の研究者へも資金獲得の道を拓く可能性を秘めています。

時々私のところに母校への寄付のお願いが届きますが、食指が動かないのが正直なところです。何に使うのか、お金を払うとどうなるのかよく分からないからです。だから、こういった顔の見える寄付の手段があることは良いことだと思っています。