読書が大事だと思う理由

私はかなり頭が悪いです。遠回りながら勉強を続けてきたおかげで学歴は付いたものの根本的な理解力は変わってません。いつも周りの人たちが瞬時に物事を理解したり、世の中のことをしっかりフォローしていたりするのを後方から羨ましく眺めています。私には初見で理解することはできません。大体いつも周りに聞いたり、調べてやっと理解できることばかりです。

私は年齢的におばさんですが、転職したので今の会社ではまだキャリアが浅い部類に入ります。体験していないことが多いので、古参の社員のようにこれまでの蓄積を生かして問題を発見したり解決することも予測やアドバイスをすることもできません。彼らと話していると、経験が持つ情報量の大きさを痛感します。

理解力にも経験にも乏しい私ができることは、本を読んで知識を蓄えることだけです。本は現実と違って、理解するまでいくらでも待ってくれます。本は経験には劣りますが、それでも経験の何分の一かの示唆を与えてくれます。

読書ばかりしているので、頭がいいのねと言われることがあります。違います。頭が悪いからこそ本を読むのです。

また、読書を大事だと思う別の理由は、本というメディアのニッチさにあります。

マスメディアは良くも悪くも視聴者を意識した”当たり障りのない”内容が多いです。一方で書籍は、極端な思想や、多くの人が興味を持ちづらい堅い内容のもの、つまり受け手狙いでないものまで扱っています。ウケを狙わない誠実な作品に(たまに)出会えるので、私はテレビよりも本が好きです。

日本人の平均テレビ視聴時間は3時間程度、読書習慣を持たない割合は半数を超えており、実際はどうか知りませんが、多くの人は情報収集をマスメディアに頼っているといえそうです。一方で、私は週に3時間テレビを見て、毎日3時間読書をします。マスメディアよりニッチメディアに頼っているのですね。

『世界について無知にならないために』という講演で出題されたクイズを解いたとき、私はバカだけど、少なくともマスメディアのセンセーショナルな報道にはあまり触れていない分、世の中を正しく把握できているのだな、読書習慣は間違ってないのだなと思うことができました。


ハンス&オーラ・ロスリング: 世界について無知にならないために | Talk Video | TED.com

思考力のない者にとって、知識はとりわけ力になってくれます。これからもたくさん本を読んで、人生を良い方に変えていきたいです。