一芸の大切さ

中学生の頃、陸上競技をやっていました。最初はビリに近い成績でしたが、しばらくしたら部内でも3本の指に入るほど速く走れるようになっていました。そうすると周囲の扱いも違ってくるんですよね。感じが悪いという私の短所もキャラとして受け入れられ、ちやほやされました。それまでの私は、人気者は社交的で人格が円満な人だけがなれると考えていて、それは私には無理だと、一生誰かに一目置かれることなどないのだろうと思い込んでいました。なので、足が速いという一点だけで尊重されたのは驚きでした。

ほんのささやかな成功体験ですが、何かに秀でていると大分生きやすくなると知ったことは、その後大いに役立ちました。Facebookザッカーバーグエヴァンゲリオン庵野監督のように、人柄は必ずしも良くないけど技術や才能は一流、といった話を読むと今でも勇気付けられます。嫌いだけど無視できない、そんな域にまで達したいものです。

長じるにつれ、抜きんでることが難しくなってはいますが、今でも長所を伸ばすのが私の生存戦略だと定めて頑張っています。