変わった肉が好き

変わった肉が好きです。アザラシとかガゼルとか、耳慣れない肉がメニューに載っていると何かに操られるかのように頼んでしまいます。

変わった肉にも2種類あって、クセのない美味しい肉とクセのあるマズイ(と一言で片付けるには気の毒ですが)肉があります。私の感覚だと、前者がトナカイ、ダチョウ、バッファロー、ワニ、後者が熊、モルモット、ヤギでしょうか…。

不思議なのは、抵抗なく食べられるものだと物足りなさを感じ、不味いと後悔することです。どちらにしても消化不良感が残ります。だったら食べなきゃいいのに!私は彼らに何を期待しているのでしょうか。

ちなみに今までに一番充実感を覚えた変な肉はガゼルの睾丸です。食べる前から臭い、口に入れたらなお臭い、飲み込もうとするとえずく、最悪です。それだけに食べ終えると妙な達成感がありました。今でも味を思い出してみると、野生そのものの生臭みにサバンナの雄大な景色がオーバーラップします。美しいものだけでは記憶に残らないんですよね。ショボい観光地やマズかったゴハンの思い出もないと旅は輝かないのです。だからわざわざ変わった肉を食べるのだと思います。