食べ物を残せるようになりました

子どもの頃から、飢えに苦しむ人々がいるのに食べ物を残すのは云々という言葉に脅され、出されたものは何でも食べました。腐ったものでも、お腹がいっぱいでも、口に合わないものでも何でもです。吐き気にむせながら食事をし、でも食べられるだけ有難いんだと信じていました。無理やり食べていたせいかは分かりませんが、食事の量は充分だったにもかかわらず、親元にいたときはガリガリに痩せていて、アバラが浮き出てました。

大人になってからも食べ残しできない癖は抜けず、無理に食べていましたが、あるとき、どうしても食べ切れずご飯を残してしまいました。何か良くないことが起きるんじゃないかと怖くなりましたが、同席者は何も言いませんでしたし、当たり前ですが何も起こりませんでした。どこかの国の餓死者の数も変わらなかったんじゃないかと思います。

それからは、食べ物を残すことをあまり躊躇しなくなってきました。自分のお金で買ったものをどう処分しようが自由だし、世界の飢餓に心が痛むなら寄附する方が食べ残しをしないよりずっといい、そう信じられるようになってきたからです。不味いものを食べてストレスを溜めるより、美味しいものだけ食べて気分良く過ごしたいです。