年取ると物欲なくなる

感性が瑞々しいうちに素晴らしいものを味わっておこう、そう思って、急ピッチで色々な経験をしてきました。

5大陸全てに旅行に行ったので、一番の有名どころは一通り見てしまい、高価な料理や酒も偉い人のお相伴で頂き、高級食材や珍味と言われるものも大体制覇しました。一流ブランドの衣類やオーダーメイドの洋服や靴、鞄は幼い頃から手にしていたので(養親がブランド好きだったので、ディオールのポンチョを羽織るような生意気な小学生でした)、服の良し悪しも分かるようになりました。観劇も美術鑑賞も一通り。

良いものを知ってしまうと、なかなかそれらを上回るものに出会えません。景色を見ても退屈に感じてしまい、料理を食べても感動できず、自腹で買える程度の服はどうしても安っぽく見えてしまい。旅館やホテルに泊まっても、最近の流行りってこんなんだよね、サービスも似た感じ、うーん、どこもおんなじだなぁ〜、なんて感じてしまいます。

そうすると、わざわざ大枚はたいて何かする気にもならなくなってきます。多分上に挙げたどれも好きではなかったんでしょうね。ゴハンだけはずっと自炊だと発狂しそうになるので食べに出ますが。

色々やりたいこと、欲しいものでいっぱいだった若い頃の方が、相対的に幸せだったのかな、と感じます。