同族嫌悪

結婚相手を探していたとき、ある男性からプロポーズされたことがあります。その男性に子どもが欲しくない旨を伝えたときの話です。

彼は、僕も実は欲しくないと言ってくれました。そこまでは良かったのですが、次に飛び出した言葉にドン引きしました。「優秀な人は、子どもを欲しがらないんだ」…優秀と来ましたか。自身を優秀と言い切る度胸に感じ入りました。まぁまぁ良いところにお勤めでしたし、そこそこ出世してらしたし、学歴も悪くはありません。ただ、中途半端な経歴で優秀を自称する価値観が田舎くさいのと、ある価値観の違いを取り上げて人の良し悪しを云々する感性が受け入れないのとでと急に冷めてしまって、適当に理由をつけて別れてしまいました。同時に、私の姿を鏡で見せられたようで落ち込みました。私も子どもを持つのは損だし賢くない選択肢だと思っていて、その点で彼とはとても意見が合っていたからです。

同族嫌悪とはこのことだな、と今でも思い返すたびに苦い気持ちになります。