我が家は賃貸派です

昔は、20代のうちに家を買うことが目標でした。壁を好きな色に塗って、その家にフィットする家具を選び、こだわりぬいた私だけの城を作りたかったのです。

結婚した際、夫にこの夢を話したところ反対されました。「俺は家のために長距離通勤なんてしたくない。それに、こだわりの強い家なんて、売りづらいし良いところがない」と。とてもショックでしたが、何年か経つと、その夢もだんだんどうでもよくなってきました。ライフスタイルの変化によって、理想の家は変わってくることに気づいたからです。

例えば今は、お互い忙しいので徒歩で通勤できるアパートを借りています。家賃は高いし、狭いです。ですが、家にいないと狭さはあまり気にならないし、掃除もすぐに終わります。終電を気にする必要がないとより多く稼げるので、家賃の高さもカバーできます。賃貸だから、転勤もすぐにできます。

仕事が忙しくなくなったり、転職したら違うところに住むかもしれません。退職したら、家賃が安く、老人福祉に手厚い自治体に引っ越す可能性もあります。時々のニーズに合わせて転居が出来るのが、賃貸の良さです。

また、私達には子どもがないので、処分に手間のかかる財産を持ちたくないのも理由の一つです。死んだとき、身の回りのものを処分したら、現金だけ残るというのが理想です。

 

今の家はとても気に入っています。

日本のアパートは、ずっと学生用アパートの狭いユニットバスと一口コンロのキッチンで頑張ってましたが、転居して以来、部屋は狭いものの、ファミリー向けの広いお風呂になり、独立洗面台もつき、キッチンも2口コンロにグリルがつきました。

イギリスの寮は、郊外にあるせいか、1室10畳くらいの広さで、収納やコンセントの数も多く、家具の配置もよく考えられていて過ごしやすいです。住めば住むほど愛着が湧く感じです。