選択を愉しむようになったキッカケ

私は自由愛好者です。人生をコントロールすることを愉しんでいます。選択肢がたくさんあり、選ぶ自由も保証されている現代に生まれて良かったなぁ!と感じています。

一方で、選択を好まない人もいるようです。選択肢が多すぎると人生に対する満足度が下がるという研究もあるようです。確かに、頑なにルーチンから外れず、選択することを拒否しているように見える人は私の周りにもいます。

選択するという行為に魅せられたのは高校生の時です。両親から大学へ進学することを当然視され、またクラスメイトもほぼ全員が進学する環境下で、私は普通に大学へ行くものだと信じ込んでいました。ただ当時は就職難で、大学を出ても就職できないというニュースを見ることもあり、何百万もかけて高卒と同じ職にしかつけない可能性があるのなら学位には何の意味があるのだろうと疑問にも感じていました。

また私は頭が良くなかったので、きっとそんなに有名な大学には行けないし、無名の大学を出ても大したところには就職できないだろうと考えていました。かといって、一流大学目指して勉強する意欲もありませんでした。代わりに考えたのが、高卒で就職するという選択肢でした。学費も無駄にならないし、競争相手は高卒相手の方が大卒より劣る分有利だと思ったのです。

当然ですが、両親からも高校からも反対されました。無視して貯金をはたいて交通費を捻出し、就職活動へ向かいました。知り合いの経営者に頭を下げ、どこにも採用されなかった場合に働かせてもらう約束を取り付け、その約束に気を大きくして大企業を受けたところ、何とか拾ってもらいました。知名度の高い会社だったので、周囲の理解を得ることも出来ました。

(知り合いに報告がてら謝りに行ったところ、「高校生でコネを使うことを思いつくような子がどこからも内定を貰えないなんてことはありえないから、どの道うちには来ないと分かってた。良かったね」と労われた際には、それまで一人きりで就活していた寂しさと許してもらった安堵がないまぜになって号泣してしまいました。)

たったそれだけのことですが、初めて人生の決定権を持てた喜びは強烈で、それ以来、私は選択に中毒しています。選択する自由を確保するために他の大事なものを犠牲にしているのではと思うくらいです。こうやって試行錯誤する生き方が正しいのかは分かりませんが、今はただ単純に選ぶことが楽しいので、これからもたくさん選択していきたいと思っています。