母の愚痴

母と電話しました。

話題は、妹についての愚痴。

現在、母はウィークリーマンションを借りて、妹の家まで毎日育児の手伝いに行っています。そのわりに感謝されないし、謝礼の提示もないのでいつまでも面倒は見ていられないという話でした。そろそろ引き揚げるようです。

やっぱりね、と心でため息。

妹が妊娠するまでは、母は私に子どもを産めとしつこかったのです。子どもが嫌いなら、ずっと母に預けておいて、週末だけ会いに来ればいいと。

私は、母は自らのキャパシティをいまだに把握していないのだなと思い、聞き流していました。なぜって、母は自分の子どもですら育てられなかった。

就学前診断で、普通学級に進むことは難しいと診断されたとき、両親は私を養子に出しました。養い親は子どものいない夫婦で、その後、無事自分たちの子どもを授かることができ、私は再び両親の元へ戻されました。

このことで私が学んだことは、一生の指針になっています。無償の愛は存在しないということです。人は利害に基づいて行動します。

両親の元に戻った私は、それからいくつか賞を貰い、良い大学へ行き、良い職場に入り、良い伴侶を得ました。その度毎に両親は私のことが好きになるようです。周りにも自慢しています。良いと言われるものを選ぶことは私にとっても損ではないので、いまのところ私たちはウィンウィンの関係を築いています。

 

相手の役に立つ人間であれ、利害を考慮しろというのは汎用性の高い理論だったようで、色々なところで役に立っています。正直、私は両親のことを好きではありませんが、とても大事なことを教えてくれたと思っています。子どもの頃の私は、両親にとってとてもじゃないけど役に立つ人間ではありませんでした。どの子どもだってそうでしょうし、私の子どもも例外ではありません。なので、やっぱり子どもは要りません。