離婚はするものではない
数年前に離婚し、以来一人暮らしをしている母の引越しを手伝いに行きました。
彼女の家に上がるのは、初めてです。
実家にあった家具、小物がほぼそのまま残っており、少し懐かしい気持ちになりました。しかし、単身者用の狭いアパートに家族用の家具は大きすぎ、家具の隙間で小さくなっている母は、なんだかとてもみすぼらしく見えました。
部屋に合った家具を買うお金がない貧しさ。
とても直視してはいられず、頼まれた家電の設置や設定を済ませ、そそくさと部屋を後にしました。
自宅に戻り、きちんと整えられた部屋を見て、ほっと一息。私はまだ貧しくはない。
今の生活水準を維持するためには、もちろん仕事を続けなくてはいけませんが、離婚もしてはいけないなと痛感しました。世帯収入が少なくなれば、心細くなって財布の紐も固くなります。身の回りにお金をかけられなくなると、特に若くない人間は一気にみすぼらしくなります。それでもいい、と思えるほど私は無欲無頓着ではいられません。
夫をもっと大事にしよう、と思いました。