日中戦争を外国人に説明してみました

雑談をしていたら、ちょうど安倍総理が米議会で演説をしたことがニュースになっていたのもあって、中国や韓国は嫌いか、どうして戦争をしたのか、と聞かれました。

個人的には中国や韓国は嫌いじゃないし、あちらの人で日本が嫌いな知り合いは幸いにもいない、と前置きしつつ、自分なりに説明してみました。以下独白風に。

国境を接している国々と違って、元々日本は中国や朝鮮と仲が悪くはありませんでした(元寇とか朝鮮出兵があるので仲良くもなかったですけど)。当初は中国や朝鮮の方が文明が進んでいたので教えを請う立場だったし、漢詩等の中国文学を嗜むのが当然の教養でした。帝政ロシアとフランスの関係に近かったんじゃないのかなと想像します。

明治以後、経済発展を遂げた日本は西洋の概念を中国に伝えるまでになりました。だから私達の言語は実は共通する単語が多いんですよ。例えば、Economyは中国語でも日本語でも経済と書きます。これは日本で訳した言葉が中国に伝わった例です。中国語が日本語になった例は、挙げるのも難しいほど多いですね。

どうして戦争をしたのか。独立を維持するために植民地が欲しかったんです。最初は国交を断絶することで独立を守ろうとしたんですけど、アメリカと国交を結んでからはそれも不可能になりました。日本が国際社会入りした当初って、イギリスがインドを占領したりしていた時期だったんです。西欧諸国が植民地を拡げていくのを見て、日本もいつか占領されてしまうという恐怖が当時はあったんです。今と違ってちっぽけな国でしたからね。植民地になりたくなければ、イギリスがやってるみたいに領土を広げて先進国入りしなければ、やられる前にやれ、そんな風に考えるのが当時は普通だったんです。別に私たちが好戦的だったわけじゃありません。

中国と朝鮮を植民地にしようとしたのは、近くにあったのと弱かったからです。当時イギリスに負けてボロボロでしたからね。別に憎かったわけじゃありません。貿易赤字を解消するためとかしょーもない理由で戦争したイギリス野郎とは心意気が違いますよ。

まず手始めに中国の半属国だった朝鮮を征服しました。中国の領土も一部取りました。ここまでが第一次世界大戦までの流れです。この頃には先進国入りも果たし、ひとまず占領の危機は去りました。第二次世界大戦では、領土再拡大のために再度戦争しました。今度は日本の土地が足りなくなったからです。100年間で5,000万人くらい増えましたからね。倍です。今も同じくらいの人口なのに過疎化だ!なんて騒いでて、本当に政府っていい加減ですけど。まぁ当時は日本がパンクしちゃうってことで、たくさんの日本人が中国へ渡りました。脇にそれますけど、敗戦後はもっと人口が増えちゃったけど植民地はもうないので、ブラジルとかにお金払って移住させてましたね。多いと追い出せ、少ないとたくさん産め…日本政府が国民に対して全く敬意を払わない、人命を単なるモノのように扱うのが自国の嫌なところです。

ええと、話が逸れました。そんで第二次世界大戦で負けて。領土を全て返上して。だから戦争以来、政府同士は仲が悪いです。国民は割と冷静です。

当時の状況からして戦争をするのは極めて当たり前ではありましたが、してしまったことを正当化するつもりはありません。当時は常識だったとか何とか言っても、悪いことは悪いことです。ただ、当時の社会情勢と日本の立場を説明したかっただけです。イギリスと元植民地はビザプログラムを組んだりして、人の行き来も激しいですし遺恨がそれほど残っていないように見えるんですけど、日本と中国、韓国はどうして仲良くなれなかったんでしょうね…。

 

ここまで話して、「で、アメリカのせいなんだろ?」と言われて脱力してしまいましたが。いや、アメリカが国交を開くキッカケ、ひいては戦争をする遠因にはなりましたが、アフガニスタン紛争とかと違って、アメリカが工作したわけではないんだよ〜!というのでまたしばらく説明しましたが分かってもらえたかどうかは不明です。やっぱりアジアはそれ以外の地域にとっては辺境なので、説明しても伝わっているのかどうか不安になります。